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NLP ( Neuro-Linguistic Programming ) 神経言語プログラミング

目次

NLPと催眠術の深い関係──無意識に働きかける「言葉の力」を最大限に活かす方法

 

人間の行動や感情の多くは「無意識」によって決定されています。

「変わりたい」と思ってもなかなか変われない
意識では理解しているのに行動できない…そんな経験はありませんか?

実は、私たちの言葉や行動は、無意識の影響を強く受けており
その無意識に働きかけることで、行動や感情のコントロールがしやすくなるのです。

この無意識に働きかける技法一つとして知られるのが

NLP(神経言語プログラミング)です。

しかし、NLPを学んだ人の多くが
「知識としては理解できるが、実際に使えない」と感じてしまうのも事実です。

 

なぜ、NLPは実用化が難しいのでしょうか?

そして、催眠術を学ぶことで
NLPの技法をより効果的に活用できるのはなぜなのでしょうか?

 

この記事では、NLPと催眠術の関係を解説しながら
日常生活やビジネス、自己成長に活かす方法を詳しく紹介していきます。

 


NLPとは?催眠術とは?基本的な違いを理解する

 

🔹 NLP(神経言語プログラミング)とは?

NLPは、1970年代にリチャード・バンドラージョン・グリンダーによって
開発された心理学的手法です。

この技術は、「言葉の使い方」「無意識のプログラム」を調整することで
行動や感情を変化させることを目的としています。

 

NLPの根底にある考え方は
「人の行動は無意識のパターンによって決まる」というものです。

例えば、次のような場面を想像してみてください。

  • ポジティブな言葉を使うことで、前向きな行動を引き出す
  • 相手の言葉をミラーリング(真似る)することで信頼関係を築く
  • 言葉のリズムやトーンを調整して、無意識に影響を与える

このように、NLPは「言葉を通じて無意識をコントロールする技術」として
多くの人に学ばれています。

 

🔹 NLPのルーツ──影響を与えた4人の巨人

NLPは単なる心理学ではなく
当時最も効果を上げていたセラピストたちの技法を徹底的に研究し
体系化したものです。

特に、以下の4人の心理学者・セラピストの影響を大きく受けています。

 

1. ミルトン・エリクソン(Milton H. Erickson)

ミルトン・エリクソンは、催眠療法の第一人者であり
「命令型の催眠術」ではなく、日常会話の中で無意識に働きかける技法を開発しました。

例えば、クライアントが「私は人前で話すのが苦手です」と言ったとします。
通常であれば、「そんなことないですよ、大丈夫です!」と励ましたくなるでしょう。
しかし、エリクソンはこう言いました。

👉 「なるほど、ではどうやったら今よりもっと苦手になれるでしょう?」

この問いかけによって
クライアントは「え、もっと苦手になる方法なんて考えたことない」と思い
無意識のうちに「今の自分はそこまでひどくないのでは?」という気づきを得るのです。

エリクソンの技法は
「相手に気づきを生じさせることで変化を促す」というものであり
NLPの「催眠言語パターン」として受け継がれています。

 

2. フリッツ・パールズ(Fritz Perls)

フリッツ・パールズは、ゲシュタルト療法の創始者であり
「今この瞬間」に意識を向けることを重視しました。

彼の手法は、「過去のトラウマをどうこうするのではなく
今この瞬間に何を感じるか?」というものです。

例えば、クライアントが「過去に傷ついた」と話したとき、パールズはこう尋ねました。

👉 「それを話している今、この瞬間、何を感じていますか?」

これにより、クライアントの意識は「過去」ではなく「今」に向けられ
より冷静に現状を見つめられるようになります。

NLPの「アンカリング」や「サブモダリティ」の技法は
パールズの影響を受けています。

 

3. バージニア・サティア(Virginia Satir)

バージニア・サティアは、家族療法の第一人者であり
「人間のコミュニケーションパターンが無意識に与える影響」を研究しました。

特に、彼女が提唱した「ペーシング(相手に合わせる技法)」は
NLPのラポール(信頼関係の構築)に大きな影響を与えています。

例えば、ある夫婦カウンセリングで、妻が「夫が冷たい」と訴えたとします。
このとき、サティアは夫にこう指導しました。

👉 「奥さんに話すとき、もう少し顔を向けて、声をやわらかくしてみましょう。」

すると、妻の表情が一気に和らいだのです。

これは、「言葉の内容よりも、どのように伝えるか」が相手に与える影響が大きいことを示しています。

 

4. グレゴリー・ベイトソン(Gregory Bateson)

グレゴリー・ベイトソンは、文化人類学者であり
システム思考」や「ダブルバインド理論
(矛盾したメッセージが人に与える影響)」を提唱しました。

例えば、親が子供に対して
👉 「自由に好きなことをしなさい。でも、お母さんの期待には応えてね。」
と言ったとします。

このような「ダブルバインド(矛盾するメッセージ)」を無意識に受け取ると
人は混乱し、行動が制限されるのです。

NLPでは、こうした「無意識に影響を与える言葉の使い方」を意識的に学び
より建設的なコミュニケーションを取る方法を学びます。

 


催眠術とは?

 

NLPが「言葉の使い方を体系化したもの」だとすれば
催眠術は「無意識に直接働きかける技法」です。

特に、ミルトン・エリクソンが開発した「現代催眠」は
NLPの催眠言語パターンとして取り入れられています。

例えば、

  • 「あなたは、今この瞬間、リラックスし始めていますね。」
  • 「この話を聞いているうちに、自然と気持ちが落ち着いていくでしょう。」

こうした表現は、催眠術とNLPの共通点を示しており
「相手の無意識に自然に働きかける方法」として活用されています。

 

では、なぜNLPは「学んでも使えない」と感じる人が多いのか?

 

NLPを学んでも「使えない」と感じる理由──日本での実用化が難しい背景

 

NLPは、無意識に影響を与える言葉の使い方を学ぶための技法として
多くの人に学ばれています。

しかし、実際にNLPを学んだ人の中には「知識としては理解できるが
実際に使うのが難しい」と感じる人が少なくありません。

 

では、なぜNLPは実践しにくいのでしょうか?

その理由として、主に次の3つが挙げられます。

 


1. 言語の壁──英語と日本語の違い

 

NLPは英語圏で開発されたため
日本語に翻訳した際にニュアンスや効果が変わってしまうことがあります。

 

例えば、NLPの代表的な技法である
「間接命令(Embedded Command)」を見てみましょう。

 

🔹 英語の例
👉 You might start to feel more relaxed now.
(あなたは今、もっとリラックスし始めるかもしれません。)

🔹 日本語訳
👉 あなたは今、もっとリラックスし始めるかもしれません。

 

一見、同じ意味のように思えますが
英語の「start to feel more relaxed」という部分には
「リラックスする」という指示が間接的に埋め込まれています。

英語ではイントネーションやリズムを使うことで
この部分を無意識に受け取らせることができます。

 

しかし、日本語には文法的な制約があり
英語のように自然に命令を埋め込むのが難しいのです。

そのため、日本語で同じ技法を使おうとすると
不自然になり、相手が違和感を覚えてしまいます。

 

さらに、NLPの「催眠言語パターン」では
英語の「and」「so」「because」といった接続詞を多用し
話の流れをスムーズにすることで無意識に影響を与える技法がよく使われます。

しかし、日本語ではこうした接続詞を多用すると
逆に「冗長な話し方」として違和感を持たれやすくなります。

 

💡 解決策

👉 日本語の特性に合わせた表現に変える
👉 言葉だけでなく、声のトーンや間(沈黙)を意識する
👉 催眠術の「話し方」を学び、自然な流れを作る

 


2. 文化の違い──「催眠=怪しい」の壁

 

欧米では、催眠や心理療法が一般的に受け入れられています。

しかし、日本では「催眠」という言葉に対して
「怪しい」「洗脳される」といったイメージを持つ人が多いのが現状です。

 

たとえば、アメリカではビジネスの場でもNLPの技法が積極的に使われ
営業や交渉、コーチングのスキルとして広く浸透しています。

しかし、日本ではNLPを使うと
「相手を操作しようとしている」と疑われることがあるのです。

 

また、日本人は文化的に「明確な指示を受けること」に慣れており
間接的な表現に戸惑いやすいという傾向があります。

例えば、英語では「リラックスしなさい」と直接言うよりも
「あなたは今、とても落ち着いた気分になってきていますね」といった
間接的な言い方のほうが、催眠的な効果を発揮します。

 

しかし、日本語では「~ですね」という表現が曖昧に聞こえ
「本当にそうなの?」と疑問を持たれやすいのです。

この文化的な違いが、NLPの技法が日本で実用化しにくい理由の一つとなっています。

 

💡 解決策

👉 日本人の感覚に合った「自然な表現」を考える
👉 催眠術の技法を応用し、言葉だけでなく「雰囲気」も大切にする
👉 相手の「納得感」を引き出す話し方を身につける

 


3. 実践の場が少ない──学んでも使えない理由

 

NLPは「実践を通じて習得するもの」です。

しかし、日本では「NLPを学んでも、実践する場がない」という問題があります。

 

たとえば、NLPのトレーニングを受けても
その後に「どのように日常で使えばいいのか?」が分からず
スキルが定着しないまま終わってしまう人が多いのです。

 

NLPの技法は
実際に人とのコミュニケーションの中で使うことで初めて効果を発揮します。

これは、スポーツと同じで、理論を学ぶだけでは上手くならず
実際に体を動かしてトレーニングすることで技術が身につくのと似ています。

 

しかし、日本ではNLPを日常で使う機会が少なく
トレーニングを受けた後も活用する場がないため
結局「学んだけど使えない」という状態に陥りやすいのです。

 

💡 解決策

👉 学んだ技術を試せる環境を作る
👉 日常の会話の中で少しずつNLPの技法を取り入れる
👉 催眠術の実践を通じて、無意識に働きかける技法を体得する

 


NLPと催眠術の関係──なぜ催眠を学ぶとNLPが使いやすくなるのか?

 

NLPの基礎には、催眠術の技法が深く関わっています。

そのため、NLPを実践的に使えるようになるには
催眠術の基礎を学ぶことが大いに役立ちます。

催眠術のトレーニングでは、以下のようなスキルを重視します。

🔹 言葉のリズムやトーンの調整
🔹 相手の無意識に届く言葉の選び方
🔹 ラポール(信頼関係)の築き方
🔹 観察力の向上(キャリブレーション)

これらはNLPの技法とほぼ同じ要素を含んでいます。

しかし、NLPを学ぶ際には
「なぜこういう言葉の使い方をするのか?」という説明が理論中心になることが多く
実際に体感しながら学ぶ機会が少ないのです。

 

一方、催眠術は
実際に「相手の反応を見ながら言葉を使う」トレーニングを行うため
NLPのスキルを体感的に理解しやすくなるというメリットがあります。

 

では、具体的に催眠術を学ぶことでNLPがどのように使いやすくなるのか
次に詳しく解説していきます。

 

NLPと催眠術の関係──催眠術を学ぶとNLPが使いやすくなる理由

 

NLPの技法は確かに有効ですが
それを「自然に使えるようになる」までには、多くの練習が必要です。

しかし、催眠術を学ぶと、無意識に働きかける言葉の使い方を
体感を通じて理解できるようになります。

 

では、具体的にどのような点で催眠術がNLPの習得を助けるのか
詳しく見ていきましょう。

 


1. ミラーリングを「無意識レベル」で行えるようになる

 

NLPの「ミラーリング(Mirroring)」は
相手の動作や話し方を真似ることで、信頼関係を築く技法です。

しかし、多くの人がミラーリングを実践するときに
「ぎこちなくなる」という問題に直面します。

例えば、相手が腕を組んだ瞬間に自分も腕を組む
相手がコーヒーを飲んだらすぐに自分もコーヒーを飲む…

こうしたあからさまなミラーリング
相手に違和感を与え、「何か意図的に真似されている?」と
感じさせてしまう可能性があります。

 

催眠術では、より自然なミラーリングを学ぶ

催眠術では、ミラーリングを「相手が気づかないレベルで行う」ことが重要視されます。

🔹 呼吸のリズムを合わせる
→ 相手が息を吸うタイミングに合わせて、自分も同じように吸う。

🔹 瞬きのタイミングを調整する
→ 相手が瞬きをしたら、さりげなく同じペースで瞬きをする。

🔹 声のトーンや話すスピードを相手に合わせる
→ 早口の人には少し速めに、ゆっくり話す人には落ち着いた口調で。

 

このように、相手が意識しないレベルでミラーリングを行うことで
「この人とは気が合う」と無意識に感じてもらうことができます。

また、これらの技術は、相手と調和することで催眠状態へ誘導しやすくなるため
催眠術のトレーニングの一環として自然に身につきます。

 


2. NLPの「ペーシング&リーディング」を深く理解する

 

NLPには
ペーシング(Pacing)&リーディング(Leading)」という技法があります。

これは、相手の状態に寄り添い(ペーシング)
徐々にこちらの意図する方向へ誘導する(リーディング)というものです。

例えば、次のような会話があったとします。

🔹 ペーシング(相手の状態に寄り添う)
「最近、仕事が忙しくて大変そうですね。」

🔹 リーディング(こちらの方向へ導く)
「だから、ここで少しリラックスするといいですよ。」

 

このように、相手が受け入れやすい形で話を進めることで
無意識に影響を与えやすくなるのです。

 

催眠術では「言葉以外のペーシング」も活用する

催眠術では、ペーシングを「言葉」だけでなく
身体の動きや声のトーン」でも行います。

例えば、
🔹 相手の呼吸のペースに合わせて、自分の話すスピードを調整する
🔹 相手がリラックスしてきたら、こちらもゆったりとした口調に変える
🔹 相手の表情を見ながら、適切な間を取る

 

こうした細かいテクニックを実践的に学ぶことで
相手の無意識と同調しながら、自然に誘導するスキルが身につきます。

 


3. NLPの「催眠言語パターン」を自然に使う

 

NLPには、「催眠言語パターン(Milton Model)」と呼ばれる技法があります。

これは、曖昧な言葉を使って相手の無意識に働きかける方法です。

例えば、次のような表現があります。

🔹 「あなたは、今この瞬間、リラックスし始めています。」
🔹 「この話を聞いているうちに、自然と気持ちが落ち着いていくでしょう。」

こうした表現は、催眠術のテクニックと非常に似ています。

ただし、NLPを学んだだけでは
これらの言葉を「意識的に選ぶ」ことになり、不自然な話し方になりがちです。

 

催眠術のトレーニングでは
相手の反応を見ながら、最適な言葉を自然に選べるようになるため
よりスムーズに活用できるようになります。

 


言葉の力を深く理解し、日常で活かすために

 

NLPを学んだものの「実際に使えない」と感じている人は
催眠術を学ぶことで、その技法をより深く理解し、実践できるようになります。

NLPが「意識的に学ぶ技法」だとすれば
催眠術は「無意識的に身につける技法」です。

催眠術を学ぶことで、NLPのスキルがより自然に使えるようになり
日常のコミュニケーションやビジネスシーンでの説得力も向上します。

 

当店「Cafe & Bar Spread One」では、NLP自体を教えてはいませんが
その基礎となった催眠術の技法を学び、応用することができます。

「NLPをもっと実践的に使いたい」
「無意識に働きかける言葉の力を体感したい」と感じている方は
ぜひ一度体験してみてください。