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日別アーカイブ: 2026年1月6日

催眠って、ちゃんと学ぶ場所はあるんですか?

催眠って、ちゃんと学ぶ場所はあるんですか?

 

― 世界ではどこで、どんな形で教えられてきたのか ―

 

「催眠って、ちゃんと学ぶ場所はあるんですか?」
「それとも、本や動画を見て、あとは感覚なんですか?」

 

Spread Oneで話していると、
この質問は本当によく出てきます。

 

 

この問いには、とても大事な感覚が含まれています。

それは、

催眠は
信じるものなのか、
それとも
きちんと学ばれてきた“技術”なのか。

 

という、ごく自然で健全な疑問です。

 

結論から言えば、
催眠は、世界の中で確かに学ばれてきた技術です。

ただし、私たちが想像する「学校」とは、少し形が違います。

 


国立・公立の学校に「催眠学科」はあるのか?

 

ここで、多くの人は一度がっかりします。

 

「海外の大学に、誰でも入れる“催眠学部”がある」
というわけではありません。

 

これは事実です。

  • 催眠学部
  • 催眠学科
  • 一般学生向け必修科目

こうした形での教育は、
世界的に見ても、ほぼ存在しません。

 

ただし、
ここで話を終えてしまうと、
催眠の半分しか見ていません。

 

 


フランスにある「学校で教える催眠」の実像

 

フランスでは、公立大学の医学部・歯学部を中心に、

  • 医療催眠(Hypnose médicale)
  • 臨床催眠(Hypnose clinique)

が、大学ディプロム(DU / DIU)として教えられています。

 

これは、

  • 学部生向けの授業ではなく
  • すでに国家資格を持つ人が
  • 追加で専門技術として学ぶ教育

です。

 

対象になるのは、

  • 医師
  • 歯科医師
  • 看護師
  • 助産師
  • 臨床心理士

といった人たち。

 

 

フランスでは、
催眠は「誰でも名乗れる職業」ではなく、

医療・心理の専門家が使う高度な技法

として、大学制度の中に組み込まれています。

 


スイス・他のヨーロッパ諸国も同じ考え方

 

スイスや周辺国でも、

  • 公立大学病院
  • 公的性格の強い医療機関

が、医療従事者向けに催眠トレーニングを行っています。

 

ここで一貫しているのは、

催眠は
「学校に通えば誰でもなれるもの」ではなく、
「国家資格の上に積み重ねる専門技法」

という扱いです。

 


中学・高校で催眠を学ぶ国はあるのか?

 

これもよく聞かれます。

 

結論としては、

催眠そのものが、中学・高校の科目として教えられている国は確認されていません。

 

ただし、

ここがとても重要です。

 

 


催眠は「名前を変えながら」教えられてきた

 

多くの国の教育現場では、

  • 注意制御
  • 集中トレーニング
  • リラクセーション
  • マインドフルネス
  • 社会情動的学習(SEL)

という形で、

催眠と同じ脳の仕組みが扱われています。

 

それは、

  • 注意の向き先
  • 期待や意味づけ
  • 身体感覚の扱い

です。

 

つまり、

催眠は
「催眠」という名前を使わずに、
名前を変えながら教えられてきた

というのが、より正確な見方です。

 


では、一般の人はどこで催眠を学ぶのか?

 

ここからが、多くの人が一番知りたい部分です。

 

世界的に見ると、
催眠教育の中心は民間スクールになります。

 

 

ただし、
どこでも同じ、というわけではありません。

 


国家制度に「近い」民間教育がある国

 

イギリスの場合

イギリスでは、

  • 国家資格フレームワーク(RQF)
  • 公的登録制度(CNHC)

といった 国が管理する枠組みの中に、

催眠療法のディプロマが位置づけられています。

 

これは国家免許ではありませんが、

  • 能力レベルが国家基準で示される
  • 医療制度(NHS)と接続する文脈がある

という意味で、
国家資格にかなり近い位置づけです。

 

 


アメリカの場合

アメリカでは構造が少し違います。

  • 催眠は国家資格ではない
  • しかし、民間資格で仕事が成立している

代表的なのは、

  • HMI(Hypnosis Motivation Institute)
  • NGH(National Guild of Hypnotists)
  • ACHE(American Council of Hypnotist Examiners)

といった団体です。

これらは民間資格ですが、

  • 数百〜千時間規模の教育
  • 倫理規定・継続教育
  • 実務で通用する専門性

を備えており、
実際にそれで生計を立てている人が存在します。

 


催眠は国家資格なのか?

 

ここで、ほとんどの人が勘違いしています。

「催眠士」「ヒプノセラピスト」という名前の国家資格は、
世界的に見ても、ほぼ存在しません。

しかし、

資格がない = 怪しい

ではありません。

 


正確には、こう理解するとズレません

 

催眠士という国家資格は存在しない。
しかし、
催眠という技術を使うことが認められている国家資格は存在する。

これが、最も正確な整理です。

 

 


催眠技術を使う国家資格

 

多くの国で、催眠は

  • 医師
  • 歯科医師
  • 臨床心理士・心理療法士
  • 看護師・助産師(国による)

といった国家資格者が、

専門技法として使用することが認められています。

 

特に医療分野では、

  • 疼痛管理
  • 手術前後の不安軽減
  • 心身症・トラウマ対応

などで、
医療催眠・臨床催眠として正式に使われています。

 


イスラエルという、かなり特異な例

 

イスラエルでは、

  • 催眠は政府(保健省)の管轄
  • 催眠を行うには国家の許可が必要
  • 医師・心理士などに限定

という 実質的な免許制 が敷かれています。

 

これは、

催眠士という資格を作らず、
催眠という技術そのものを国家が管理している

世界的にも非常に珍しい制度です。

 

 


なぜ「催眠の国家資格」は作られにくいのか?

 

理由は制度的なものです。

  • 効果に個人差が大きい
  • 評価基準を固定しにくい
  • 権限濫用の誤解が生まれやすい

そのため多くの国では、

新しい資格を作るより、
すでに責任と倫理を持つ国家資格者に
技術として持たせる

という選択がされています。

 


まとめ:催眠はどこで学ぶのか?

 

整理すると、答えはこうなります。

  • 国立・公立の学校
    → 医療・心理の専門職向けに限定的に存在
  • 中学・高校
    → 催眠という言葉は使わないが、同じ構造は教えられている
  • 民間スクール
    → 世界の主流。国家制度に近い枠組みと接続する国もある
  • 国家資格
    → 催眠士という資格はないが、技術を使う国家資格はある

催眠は、

怪しいものでも、
何でもありの技術でもなく、
国家制度の「境界線上」で扱われてきた技術
です。

 


Spread Oneで体験していること

 

 

ここまで読んで、
「なるほど」と思った方ほど、
まだ“頭で理解している段階”かもしれません。

 

催眠は、
理解すると分かった気になります。

でも、体験すると、
まったく別のものになります。

 

Spread Oneで行っているのは、
誰かを操ることではありません。

 

注意の向き先が変わり、
意味づけが静かに外れ、
身体の反応が自然に立ち上がる。

 

それは、

  • 医療では「臨床催眠」
  • 教育では「注意訓練」
  • 日常では「マインドフルネス」

と呼ばれてきたものと、
同じ構造の上で起きています。

 

催眠を
「信じるかどうか」ではなく、

「自分の中で、何が起きるか」

それを静かに確かめる場所。

それが、Spread Oneです。